特集 最新の診療NAVI―日常診療必携
Ⅶ.炎症・感染症診療NAVI
1.中耳炎
小島 博己
1
1東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科
pp.179-184
発行日 2012年4月30日
Published Date 2012/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411102154
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Ⅰ 疾患の概説
中耳炎は急性中耳炎,慢性中耳炎,滲出性中耳炎の3つに分類される。急性中耳炎および滲出性中耳炎は小児に発症することがほとんどであるため,他稿(こどもの中耳炎)に譲る。
慢性中耳炎は急性中耳炎に続発して慢性化したと考えられる単純穿孔性中耳炎(一般的に慢性中耳炎はこれを指す)と,小児期の反復する中耳炎が一因と考えられている真珠腫性中耳炎や癒着性中耳炎に分けられる。慢性中耳炎(単純穿孔性中耳炎)は最近では抗菌薬などの発達によりまれになったが,滲出性中耳炎の治療目的に挿入した換気チューブの抜去,あるいは脱落後に残存した穿孔を認める症例は増加している。
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