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特集 知っておきたい皮膚科の知識―専門医の診方・治し方
悪性黒色腫
Malignant melanoma
大西 誉光
1
,
渡辺 晋一
1
Takamitsu Onishi
1
1帝京大学医学部皮膚科
pp.919-921
発行日 2011年11月20日
Published Date 2011/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101997
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Ⅰ.病態理解のポイント
メラニン産生能を有する色素細胞の悪性腫瘍である。この色素細胞は体表を覆う上皮である表皮の最下層(基底細胞層)に位置する。したがって,全身皮膚の各部から悪性黒色腫が発生する可能性があるが,わが国では足底や爪下に多くみられる。また粘膜にも色素細胞は存在し,口腔粘膜や外陰の粘膜にも悪性黒色腫は発生する。このほかに色素細胞は脳軟膜や網膜・脈絡膜にも存在し,低頻度ながら同部からの悪性黒色腫の発生がみられる。
悪性黒色腫はde novoに表皮に発生することが多く,母斑細胞(ホクロの細胞)もメラニン産生能を有するが,ホクロが長年の間に悪性化することは少ない。ただし,巨大色素性母斑からメラノーマが発症することがある。巨大色素性母斑は先天性に生じる巨大な母斑細胞性母斑(ホクロ)で有毛性のことが多く,予後や整容的にも幼年期から学童期に切除が望まれる。
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