臨床講義
悪性黒色腫の治療
門野 岳史
1
Takafumi KADONO
1
1聖マリアンナ医科大学,皮膚科学講座,教授
キーワード:
センチネルリンパ節
,
BRAF阻害薬
,
MEK阻害薬
,
免疫チェックポイント阻害薬
Keyword:
センチネルリンパ節
,
BRAF阻害薬
,
MEK阻害薬
,
免疫チェックポイント阻害薬
pp.1509-1521
発行日 2019年9月1日
Published Date 2019/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001585
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
免疫チェックポイント阻害薬および分子標的薬の登場に伴い,悪性黒色腫の治療方針は大きく変わった。従来は手術以外に有効な治療が乏しかったため,より完全切除に重点が置かれていたが,それが必ずしもよい結果を生むとは限らなかった。また,センチネルリンパ節生検に関しても,従来はセンチネルリンパ節生検に転移がみられれば,ほとんどの場合に所属リンパ節の郭清が行われてきたが,近年は必ずしも所属リンパ節の郭清を行わなくてもよいという考えに変わってきている。悪性黒色腫に対する免疫チェックポイント阻害薬および分子標的薬は治療成績の向上をもたらしたのみならず,実際に治療を行った患者を調べることで,腫瘍免疫や腫瘍細胞の病態生理に関する新しい知見を生み出した。本稿では,悪性黒色腫の治療について概説し,腫瘍免疫との関わりについて述べる。
Copyright © 2019, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.