Japanese
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特集 特殊疾患への対応
サルコイドーシスの診断と治療
Diagnosis and treatment of sarcoidosis
串 美喜子
1
,
山村 幸江
1
,
吉原 俊雄
1
Mikiko Kushi
1
1東京女子医科大学耳鼻咽喉科
pp.275-281
発行日 2011年4月20日
Published Date 2011/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101788
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Ⅰ.はじめに
サルコイドーシスは原因不明の全身性肉芽腫性疾患であり,多臓器にわたり多彩な臨床像を呈する。サルコイドーシスの発現パターンは大別すると,無症候性のもの,微熱,寝汗,体重減少,倦怠感といった非特異的な症状を認めるもの,臓器特異的な症状を認めるものがある。サルコイドーシス患者の30~50%は無症候性に診断される1)。1960年代に行われたサルコイドーシス研究協議会の統計によると,サルコイドーシス患者2,319症例のうち,94.7%に肺病変を認め,次いで眼病変が28.5%,皮膚病変が11.1%と報告されている2)。
耳鼻咽喉科領域においては,鼻腔,口蓋扁桃,喉頭,上咽頭,顔面骨,口腔,副鼻腔,外耳,中耳,顔面神経,内耳神経をはじめとする脳神経など多彩な部位に発生する3)。
本稿では,サルコイドーシスの診断,治療,特に耳鼻咽喉科領域において見逃してはならないサルコイドーシス病変について,症例を呈示し,解説する。
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