Japanese
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特集 好酸球関連の病変
3.好酸球性副鼻腔炎
3.Eosinophilic sinusitis
竹内 万彦
1
Kazuhiko Takeuchi
1
1三重大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科
pp.669-677
発行日 2010年9月20日
Published Date 2010/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101679
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Ⅰ.はじめに
マクロライド療法と内視鏡下鼻内副鼻腔手術により慢性副鼻腔炎の治療は格段に進歩した。しかし,マクロライド療法が有効でなく,内視鏡下鼻内副鼻腔手術によっても再発をする症例がみられるようになった。このような症例は成人の非アトピー型喘息患者に多く,末梢血好酸球増多を伴う。また,篩骨洞病変が中心だが,汎副鼻腔病変例も多く,鼻粘膜の著しい好酸球浸潤,粘稠な副鼻腔貯留液,ニカワ状の耳漏を特徴とする難治の慢性中耳炎の合併などの特徴がみられる(図1)。春名ら1)と森山2)はこのような副鼻腔炎を好酸球性副鼻腔炎と呼ぶことを提唱した。その特徴を表12)に示す。好酸球性副鼻腔炎の提唱から10年近くが経過し,病態について多くの知見が得られている。ここでは,好酸球性副鼻腔炎の定義,病態,治療について最近の知見を中心に述べる。
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