特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科の検査マニュアル―方法・結果とその解釈
Ⅲ.顔面神経検査
1.顔面表情の検査
勝見 さち代
1
,
村上 信五
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科感覚器・形成医学講座・耳鼻咽喉・頭頸部外科学
pp.137-143
発行日 2010年4月30日
Published Date 2010/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101602
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Ⅰ はじめに
顔面神経麻痺の評価法には大きく分けて2つの方法がある。1つは顔面全体の印象を概括的に捉えて麻痺程度を評価する方法(gross system)で,もう1つは顔面表情の主要な機能を区分して幾つかの単位に分け,それぞれを個別に評価し,その合計で麻痺程度を評価する顔面部位別評価法(regional system)である。現在,臨床において汎用されている評価法は,gross systemではHouse-Brackmann法があり,regional systemでは40点法(柳原法)がある。前者は主に聴神経腫瘍術後の麻痺を対象として考案され,後者は主にBell麻痺,Hunt症候群による麻痺を対象としてわが国で考案された。また,後遺症評価に重点をおいたSunnybrook法もある。
本稿では,現在臨床的に用いられている代表的な評価法について解説する。
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