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特集 耳鼻咽喉科とチーム医療の実践(3)
①頭頸部腫瘍術後嚥下障害
1.喉頭亜全摘術の術後嚥下機能再獲得に対するチーム医療
1. Dysphagia due to postoperative head and neck tumor:Team approach for restoring swallowing function of spracricoid laryngectomy with cricohyoidoepiglottopexy
横堀 学
1
,
中山 明仁
1
,
清野 由輩
1
,
鈴木 立俊
1
,
岡部 早苗
2
,
上田 綾子
2
,
堀田 彩子
3
,
山内 美香
4
,
三浦 芳典
5
,
佐々木 寿子
6
,
岡本 牧人
1
Satoru Yokobori
1
1北里大学医学部耳鼻咽喉科
2北里大学病院耳鼻咽喉科
3北里大学病院看護部
4北里大学病院栄養部
5北里大学病院臨床検査部
6北里大学病院薬剤部
pp.257-264
発行日 2009年4月20日
Published Date 2009/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101400
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Ⅰ.はじめに
医療が高度化,細分化されるに従い,現場においては,一人ひとりの医療従事者の行うことのできる医療行為には限界が生じてきた。今までの医師を中心とした医療業務体系から,患者を中心とした医療を実践するための医療モデルとして,各細分化された領域におけるそれぞれの専門家たちが効率よく連携を取るチーム医療へ移行する必要性が高まっている。頭頸部癌患者の術後機能に対しても例外ではなく,チーム医療の導入によって,患者に対してよりよい結果を残すことが可能になってきた。
従来から当科では,喉頭癌に対して機能温存手術として喉頭亜全摘術(以下,SCL-CHEPと略す)を施行している1)が,チーム医療が術後機能獲得にも大きく貢献している。2005年からは術後管理にクリニカルパス(以下,パスと略す)も導入した2,3)。また病院全体の栄養サポートチーム(以下,NSTと略す)および病棟NSTも2006年から本格的な活動を開始し,栄養管理に関しても積極的に病棟NSTが介入,助言できるようになった。また外来診療においても,腫瘍専門外来での診察以外にも,嚥下外来において嚥下担当医師および言語聴覚士(以下,STと略す)での合同診察を行っている。
今回,北里大学病院耳鼻咽喉科におけるSCL-CHEPの術後嚥下障害に対するチーム医療での対応を中心に現状を報告する。
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