増刊号 こんなときの対応法がわかる 耳鼻咽喉科手術ガイド
Ⅳ.喉頭・下咽頭の手術
進行喉頭癌:喉頭亜全摘出術
中山 明仁
1
1北里大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科
pp.231-234
発行日 2015年4月30日
Published Date 2015/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411200619
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症例呈示
58歳,男性。3か月前から増悪する嗄声を自覚し,地域病院を受診した。右仮声帯〜声帯を占拠する腫瘍を認め,生検の結果,扁平上皮癌と診断された。声門癌の診断にて,化学放射線療法(放射線照射70Gy+白金製剤)が施行された。
病状は一時軽快したが,治療後24か月目に嗄声が再燃し,声帯の固定が確認された。右仮声帯〜声帯の表面に明らかな腫瘍性変化は認められなかったが,症状が改善しないため,初回治療から26か月目に全身麻酔下で生検が行われ,癌の再発が確認された。救済喉頭全摘出術(以下,全摘と略す)が呈示されたが,喉頭機能を喪失したくないという患者の強い拒否があり,当科へ喉頭亜全摘出術施行の目的で紹介された。
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