Japanese
English
特集 女性と耳鼻咽喉科疾患
4.頭頸部癌
4.Head and neck cancer
瓜生 英興
1
,
冨田 吉信
1
Hideoki Uryu
1
1独立行政法人国立病院機構九州がんセンター頭頸科
pp.307-312
発行日 2008年4月20日
Published Date 2008/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101232
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Ⅰ.はじめに
頭頸部に発生する悪性腫瘍の組織型は扁平上皮癌が多く,主要な治療として手術や放射線,化学療法がある。治療方法は男女の区別はなく,頭頸部臓器の特性も脂肪や筋肉量などを別にすれば,特段違いがあるわけではない。
一般的に女性より男性のほうが喫煙率や飲酒率が高いことを反映して,頭頸部癌の多くは男性の発症率が高いことが知られている。
また治療方針は基本的に男女の区別はないが,妊娠可能な女性では治療中や治療後に妊娠,出産を経る可能性があり,そのことについての患者への配慮や説明が必要となる。さらに頭頸部癌の治療では機能の温存や整容性も求められる。このことは男女の区別なく大切なことではあるが,実際の臨床現場では女性患者のほうが整容性について注意を払う場合が多い。
本稿では頭頸部癌における疫学的背景,診察・検査上の注意について述べる。次に,治療の総論的な内容を述べたうえで,手術・麻酔,化学療法の各論について述べる。また治療によって卵巣機能が喪失することが予想される場合の対応策について述べる。
頭頸部癌のなかでは甲状腺癌は治療法,甲状腺ホルモン量の監視などで特有の疾患と考え,独立した項のなかで述べる。
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