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連載 シリーズ/耳鼻咽喉科診療に必要な他科の知識
⑫内科:冠動脈疾患(放散痛)
⑫Coronary Artery Disease (Referred Pain)
原 英彦
1
,
中村 正人
1
Hidehiko Hara
1
1東邦大学医学部附属大橋病院第三内科
pp.997-1002
発行日 2003年12月20日
Published Date 2003/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411100881
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I.はじめに
冠動脈疾患は心筋に酸素を供給する冠動脈の異常に起因する疾患群であり,動脈硬化が主因である。典型的な症状は労作時の胸部圧迫感であるが,胸部だけではなく頸部,歯1),肩,稀には耳痛2)もあるため耳鼻咽喉科や歯科を初診する例がある。多くの冠動脈疾患は病歴のみである程度の診断が可能なため,その病歴聴取には慎重を要し,疑いがあれば循環器医にコンサルトすることが大切である。外来診療において緊急を要する症例も含まれることから,本稿では症状の出現様式,関連痛の出現機序,冠動脈疾患,特に急性冠症候群acute coronary syndrome:ACS(心臓突然死,急性心筋梗塞,不安定狭心症などの冠動脈粥腫(プラーク)の破綻と,それに伴い形成される血栓を基盤として生じる一連の疾患概念)について概説する。
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