鏡下咡語
喉摘後の音声再建術―VOICE PROSTHESIS with TRACHEOESOPHAGEAL(TE)PUNCTUREの誕生―
天津 睦郎
1
1神戸大学
pp.1055-1058
発行日 2006年12月20日
Published Date 2006/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411100789
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近年,喉頭全摘例(喉摘)が減少していることが,いろいろな報告ではっきりしており,まことに好ましいことといえる。
しかしながら喉摘が絶無になったわけではなく,ひとたび喉頭が摘出されると,数々の不都合が生じる。なかでも,一旦は発声が不能に陥ることは患者にとって耐えがたいことに違いない。何らかの方法で発声機能を取り戻したとしても,決して満足の行くものではない。何らかの方法として,食道発声,人工喉頭の使用の他に,第3の方法として手術的に音声を再建しようとするものがある。周知の通り,Jone J. Conley(1958)1),浅井良三(1965)2)の手術法が有名である。詳細は避けるが,何れも呼気を手術的に造設した瘻孔を通じて,食道または咽頭に導こうとするものである。
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