特集 上気道アレルギーを診る
5.鼻アレルギーと副鼻腔炎
2)アスピリン喘息の診断と管理
荻野 敏
1
,
瀬尾 律
2
1大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻
2瀬尾耳鼻咽喉科医院
pp.107-111
発行日 2004年4月30日
Published Date 2004/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411100583
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
I.はじめに
アスピリン(アセチルサリチル酸)は,100年ほど前から優れた鎮痛解熱作用のため広く使われてきた。反対に広く使われるため,多くの副作用が報告されている。その1つにアスピリン過敏症(アスピリン不耐症)がある。アスピリンによる過敏症にはいくつかのタイプがあるが,代表的なものとして,合併する症状からいわゆるアスピリン喘息(aspirin-induced asthma:AIA)とアスピリン蕁麻疹に分けることができる。
このうち,アレルギー性鼻炎との鑑別も必要であり,副鼻腔炎,鼻茸の合併が高頻度に認められることから,耳鼻咽喉科と密接に関係しているのがAIAである。AIAは日常診療において稀な疾患ではなく,対応,管理を誤ると極めて重大な結果をもたらすこともあり得る。
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.