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睡眠時無呼吸症候群に対する外科的治療―耳鼻咽喉科医としての取り組み方
中山 明峰
1
,
稲福 繁
1
1愛知医科大学医学部耳鼻咽喉科
pp.523-534
発行日 2005年7月20日
Published Date 2005/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411100158
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Ⅰ はじめに
睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome:以下,SAS)に対して,Fujitaら1)が初めて外科治療として口蓋垂口蓋咽頭形成術(uvulopalatopharyngoplasty:以下,UPPP)を報告し,その有効性を述べた。この方法は瞬く間に全世界に広がり,頻繁に行われるようになった。しかしながら,時間が経過するにつれ,その有効性に対し多くの疑問が投げかけられた。実際の手術効果は決して好ましいものではないとの報告が増加し2,3),UPPPはSASに対してなす術もないときに行う最後の手段とまでいわれた4)。耳鼻科医にとってさらなる厳しい現状として,近来,UPPPに対する訴訟が増加し,公表されたもののみでも医師側の敗訴が決定した例を散見する。
SASは,耳鼻科のみならず呼吸器内科,循環器内科,精神科,小児科,歯科などとさまざまな科が携わる疾患である。そのため診断,治療方針が科によって多少相違することがある。本稿は,耳鼻科医としてSASをどう認識するべきか,どのように治療にかかわっていくかを中心に述べる。
なお,執筆中は日本口腔・咽頭科学会がガイドラインを作成している時期と偶然重なったが,これまでに報告されたガイドライン5)の概略を参考にしながら,筆者ら独自の一思案を述べる。
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