特集 顔面神経麻痺
4.Bell麻痺とRamsay Hunt症候群
池園 哲郎
1
1日本医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.29-33
発行日 2005年1月20日
Published Date 2005/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411100059
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Ⅰ.歴史
Bell麻痺はSir Charls Bellの名に由来する。Bellは,顔面表情筋が顔面神経に支配されていることや特発性顔面神経麻痺の症例を最初に報告した(1821)。当初,Bell麻痺は顔面神経麻痺の総称として用いられ,現在は原因不明の特発性顔面神経麻痺を総称する。
Ramsay Hunt症候群は,James Ramsay Hunt(1872~1973)の名に由来する。Huntは,(1)外耳道・耳介帯状疱疹,(2)末梢性顔面神経麻痺,(3)耳鳴・難聴・めまいの3主徴を呈す疾患を報告し,耳性帯状疱疹(herpes zoster otics)と呼んだ1)。耳性帯状疱疹は他の下部脳神経麻痺を伴うことがあり,この症候群にはサブグループがあることを指摘している。VZV再活性化による脳神経麻痺(多発性を含む)を総称してherpes zoster cephalicsがより適切だとする意見もある2)。
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