増刊号 救急・当直マニュアル—いざというときの対応法
Ⅳ.救急外来・当直での処置と治療
急性症状を示す聴覚器疾患
Bell麻痺とHunt症候群
濵田 昌史
1
1東海大学医学部耳鼻咽喉科
キーワード:
顔面神経麻痺
,
中枢性麻痺
,
麻痺スコア
Keyword:
顔面神経麻痺
,
中枢性麻痺
,
麻痺スコア
pp.265-269
発行日 2019年4月30日
Published Date 2019/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411202064
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当直医へのコール
●年齢:Bell麻痺については原因不明であり,いずれの年代でも発症する。一方でHunt症候群は水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化によるので,小児例,特に乳幼児では少ない。
●主訴:Bell麻痺,Hunt症候群のいずれも顔面麻痺が主訴となるが,Hunt症候群では難聴,めまいとともに耳痛・側頭部痛が初発症状のことがある。
●受診状況:walk inのことがほとんどであるが,Hunt症候群でめまいが高度の例では搬送されることも想定される。
●依頼状況:施設によって対応が異なるものと思われる。中枢性麻痺が否定されれば基本は耳鼻咽喉科医が対応すべきと考えるが,昨今の医療事情によっては神経内科医や救急救命医が対応する病院も存在しうる。
●確認すべきこと:発症日時を確認する。中枢性麻痺の鑑別のためには顔面麻痺以外の神経症状の有無も確認する。加えてBell麻痺/Hunt症候群の鑑別のためにめまい,難聴・耳鳴ならびに耳帯状疱疹の有無も問い合わせる。
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