特集 緑内障診療ガイド—今日の戦略
Ⅱ.治療の実際
4.難治性緑内障治療の実際
虹彩角膜上皮症候群の治療
池田 陽子
1
,
森 和彦
1
1京都府立医科大学眼科学教室
pp.237-240
発行日 2002年9月10日
Published Date 2002/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410907924
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ICE症候群の概念
虹彩角膜上皮症候群(iridocorneal endothelialsyndrome,以下ICE症候群)とは,それぞれ独立した症候群として報告されてきたprogressiveiris atrophy, Chandler's syndrome, Cogan-Reesesyndromeの3つの症候群を総称したものである。これらの3つの症候群は1900年代の初めからいろいろと報告されてきたが,1978年にCamp—bellら1)が,これらの症候群の本態は変性角膜内皮によるproliferative endothelial degenerationであり,虹彩萎縮や緑内障は異常な角膜内皮による細胞性の膜が隅角を越えて虹彩表面にまで増殖・伸展することにより起こる二次的な変化であるとし,これらをiridocorneal endothelial syndromeという名称に統一した。
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