増刊号 7年前の常識は現在の非常識!—眼科診療の最新標準
3.緑内障
Special Lecture
緑内障のロービジョンケア
佐藤 佑二
1
,
奈良井 章人
2
,
木内 良明
1
1広島大学大学院医歯薬保健学研究院統合健康科学部門視覚病態学
2奈良井眼科
pp.192-194
発行日 2018年10月30日
Published Date 2018/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410212904
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はじめに
当院では「見えにくくて困っている」「このまま見えなくなるのか,将来が不安でしょうがない」という患者の声から眼科として対応の必要性を感じ,2009年9月にロービジョン外来が開設された。開設から2017年10月までに95名の方が受診し,年々受診希望者は増えている。
緑内障は視覚障害の原因疾患の1位であり,日本緑内障学会から報告された多治見スタディでは40歳以上の約5%が緑内障である。また,高齢化に伴い,緑内障の発症リスクは高くなる1)ため,緑内障患者の絶対数は増加傾向にある。一方,緑内障は自覚症状に乏しい疾患であり,緑内障であると気づいていない人も多い。そして自覚のないまま徐々に症状が悪化して最終的にロービジョン外来を受診される方もいる。
当院のロービジョン外来受診者の原因疾患は緑内障が最も多く(図1),年々緑内障のロービジョンケアの需要は高まっている。
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