特集 EBM確立に向けての治療ガイド
水晶体・屈折矯正
調節治療のEBMを目指して
梶田 雅義
1
1福島県立医科大学眼科学教室
pp.142-151
発行日 2001年9月28日
Published Date 2001/9/28
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410907508
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はじめに
Gullstrand1)によれば,光が眼球内に入り,角膜と水晶体によって屈折し,網膜上に結像することを眼屈折という。広義には,ある調節状態の機能的結像状況を屈折と呼ぶが,通常は調節休止状態での結像状況を屈折と呼ぶことが多い。これに対して,近方視のために水晶体の屈折力を変化させて一時的に変動した屈折状態を動的屈折,あるいは調節という。
調節機能は視覚の成立に関する最も重要なシステムの1つであり,全身の異常に最も鋭敏に反応することはよく知られている。IT革命が急速に進行している現在,長時間の近方作業を強いられる環境も少なくなく,わずかな調節異常でも容易に眼精疲労を発症する。このような環境と生体との関わりの変化を熟知せず,これに応じた処理がなされないとき,患者の訴えを理解するだけの臨床検査成績が得られない。
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