特集 眼外傷の救急治療
網膜・硝子体外傷の救急治療
平田 憲
1
1熊本大学医学部眼科学教室
pp.43-47
発行日 2001年1月15日
Published Date 2001/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410907159
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診断とそのポイント
1.問診
網膜,硝子体の外傷の診療においては,前眼部の創,出血,外傷性に起因する白内障などにより,眼底の状態を術前に把握することはしばしば困難である。治療を行うにあたり,受傷状況の聴取が極めて重要となる。異物が小さく,しかも強膜からの飛入の場合,患者の訴えも乏しく,視機能低下も軽度であるため,十分な作業状況の聴取と,あとに述べる診察が重要である。
動力草刈り機やハンマーを用いた作業中の受傷は鉄片異物による穿孔の可能性が高く,当科受診の穿孔性眼外傷の60%を占める。患者が泥酔していて受傷した場合や若年者の場合,そばにいた知人や家人からの受傷時の状況聴取も必要である。
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