特集 眼科基本診療Update—私はこうしている
2.治療に必要な基本技術
神経眼科疾患の治療
虚血性視神経症の治療
三村 治
1
1兵庫医科大学眼科学教室
pp.322-324
発行日 2000年10月30日
Published Date 2000/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410907100
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はじめに
虚血性視神経症(ischemic optic neuropathy:ION)は視神経を栄養する血管の急性循環障害(梗塞)によって生じる視機能障害であり,主に高齢者にみられる。病変部位による分類では,後毛様動脈の循環障害が強膜篩状板近傍に生じて,乳頭が蒼白浮腫を呈する前部虚血性視神経症(AION)と,病変が視神経後部で生じる後部虚血性視神経症(PION)に分けられているが,日常臨床では前者が圧倒的に多く,また後者は診断そのものがつきにくい。
IONの治療について述べる前に,まずIONそのものを正確に診断する必要がある。鑑別を要する疾患として特に重要なものは,視神経(乳頭)炎,Leber遺伝性視神経症(LHON)の2つである(「ここがポイント」参照)。
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