特集 眼科基本診療Update—私はこうしている
2.治療に必要な基本技術
網膜・硝子体疾患の治療
硝子体手術の適応疾患
小田 仁
1
,
平形 明人
1
1杏林大学医学部眼科学教室
pp.270-273
発行日 2000年10月30日
Published Date 2000/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410907085
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
近年,硝子体手術の適応は拡大してきており,その代表が黄斑円孔と黄斑下新生血管膜である。また裂孔原性網膜剥離に対しても,初回から硝子体手術を選択する術者も増えている。
図1は1995年から1999年までの過去5年間に杏林大学医学部附属病院眼科で行われた網膜硝子体手術の内訳である。全部で2,956件の網膜硝子体手術が施行されているが,強膜バックリング(646件,21%)を除いた2,310件が硝子体手術である。
このうち最も多いのが網膜剥離で27%,次いで糖尿病網膜症が24%となっている。この他には黄斑円孔,黄斑上膜,硝子体出血が多い。以前と比べると,黄斑部疾患の割合が増加し,重症の糖尿病網膜症や増殖性硝子体網膜症(prolifera-tive vitreoretinopathy:PVR)の割合が減少しているようである。
以下に代表的な疾患に対する硝子体手術の適応を述べる(表1)。
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.