特集 眼科基本診療Update—私はこうしている
1.診断に必要な基本技術
一般的検査
幼少時の眼所見の評価
黒田 紀子
1
1千葉県こども病院眼科
pp.42-44
発行日 2000年10月30日
Published Date 2000/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410907021
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はじめに
小児眼科の最終目標はよい視力とよい両眼視機能の発達,獲得にある。幼少時の眼所見に対しても,そのような観点から評価する。
視機能を評価する,視力をはじめとした種々の検査は大半が自覚的検査によるもので,乳幼児では検査時の気分や環境によって左右されることが多く,検査結果にも再現性や信憑性を欠きやすい。実際,検査によって得られた数値をそのまま評価できないことが多い。検査時の状況,小児の様子を十分に観察し考慮に入れねばならないし,一度の結果で判断することは危険で,何回かの検査をもとに総合的に判定する。確信の持てる評価をするためには安定した信頼度の高い検査結果を出すことが当然のことであり,他覚的検査をできるだけ組み入れたり,正確な結果を得るように乳幼児,保護者との間によい信頼関係をつくることも大きなポイントとなる。
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