日眼百年史こぼれ話・5
台大付設医院百年懐旧
三島 濟一
pp.813
発行日 1999年5月15日
Published Date 1999/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410906337
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1995年4月,台北の「国立台湾大学付設医院建院百週年祝賀会」に招待された。台湾の日本帰属直後の,明治28年6月台北医院が創設されたのを,大学付設医院の始まりとしている。東大病院の7〜8倍もある壮大な台大病院のロビーで世界中の有名医学者を招待して式典が行われた。また,旧病院に通ずる長い地下連絡道で,百年の歩みの写真展示があった。初代院長・校長山口秀高,ついで,高木友枝,堀内次雄校長らの写真が飾られ,大正時代の所には塚原教授(関西医大理事長塚原勇先生のご父君)の実習風景があった。台北帝国大学時代には茂木教授(茂木皓博士のご父君)の写真がたくさんあった。日本が建てた,旧台北帝大の建物は歴史的建築として保存し,内部は近代的に改装された。
式典に先立ち,各研究科で国際シンポジウムが行われ,眼科では馬嶋昭生名誉教授と私が講演した。ちょうど,日眼百周年記念誌を編纂中だったので,台湾に貢献した日本の先生たちの写真を持っていった。楊燕飛先生が,私の持っていった山口秀高の写真をとても喜んで,是非置いていってくれと頼まれた。日本の眼科では山口先生のことはおそらくだれも知らないが,台湾では知らない人はいない。
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