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Uveal effusion syndromeの病態,診断と治療
Uveal effusion syndrome, pathophysiology, diagnosis and management
高橋 寛二
1
Kanji Tahahashi
1
1関西医科大学眼科学教室
pp.119-127
発行日 1999年2月15日
Published Date 1999/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410906186
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Uveal effusion syndrome (脈絡膜滲出症)は何ら誘因なく眼底全周の脈絡膜剥離とともに胞状の滲出性網膜剥離をきたす疾患である。本症は強膜が厚く硬いことによって,強膜を通る眼内液の眼外への流出が障害され,眼内液が脈絡膜に貯留することが原因であり,強膜に病因がある。病型には真性小眼球nanophthalmosを伴うI型と,nanophthalmosのない正常の大きさの眼に起こるII型がある。厚く硬い強膜は,組織学的に膠原線維の配列の乱れと強膜基質への異常なプロテオグリカンの沈着によることが解明され,インドシアニングリーン螢光眼底造影によって脈絡膜に強い血流うう滞と血管透過性元進があることが判明している。治療には,強膜を通る眼内液の流出障害を解除するため,脈絡膜を大きく露出する強膜開窓術を行うと奏効する。
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