第49回日本臨床眼科学会専門別研究会1995.11.10宇都宮
眼先天異常
馬嶋 昭生
1
1名古屋市立大学
pp.440-442
発行日 1996年3月15日
Published Date 1996/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410904789
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1.Seckel症候群の1例 山田浩三・他(島根医大)
症例は16歳の女性で,在胎37週体重は890gで出生した。受診時の身長91cm,体重13.5kgで,低身長であったが均整がとれていた。頭囲42cmと小頭を呈し,高い鼻,小さい下顎,歯のエナメル質の形成不全,および右橈骨の変形がみられた。眼位は外斜位で,視力は右0.2(O.4×+2.50D cyl+2.75D Ax80。),左0.3(0.6×+2.OD cyl+2.75D Ax125°)であった。角膜曲率半径は右6.06mm,左6.23 mm,角膜径は両眼9 mm,眼軸は右16.89,左17.04 mmであった。ほぼ同程度の身長の女児15例の眼軸の平均は20.7mmで,両眼の小眼球症と考えられた。眼底は両側の視神経乳頭の軽度の蒼白がみられた。眼球運動,対光反射,輻輳反射,視野,網膜電位図,視覚誘発電位は正常であった。視神経障害をきたす頭蓋内疾患もみられないことから,両眼の視力不良は小眼球症による遠視性乱視のための屈折性弱視が原因と考えられた。
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