Siesta
学生アルバイト
八子 恵子
pp.214
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410904089
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学生時代,それなりに貧しかったのでよくアルバイトをした。今になって振り返ると,どうやって見つけたのか覚えていないけれどとにかくいろいろとやった。そしてそれぞれにいろいろあって面白かった。
デパートのショール売り場。成人式を前にした時期で,母親と娘さんが多かった。あの白くてふさふさのショールがはやりの頃で,沢山の商品が並べてあった。どれも同じようだが,簡単にはどれと決まらない様子。「どれがいいかしらね」とよく相談された。こちらもすっかり店員になってしまっていて,いくつか肩に掛けてもらいながら「お似合いですね」などと言ってしまう。娘さんと同じ年ごろの私のアドバイスにうなずき納得してしまうお客さん。そ—か,迷っているときには誰でも第三者の意見ってききめがあるのかもしれない。もっともあのショールは結局のところどれでも同じにしか見えないものね。
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