Siesta
日本の名医
JUN
pp.106
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410904042
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ホイチョイ・プロダクションズ著の「東京いい店やれる店」という本がベストセラーになっている。近年,レストランをはじめとしていろいろなお店を紹介する本が巷を賑わせているが,いずれも五十歩百歩の内容で,こだわりの店などと紹介されている店へ行って実際に食べてみてもがっかりすることが多い(作る方も食べる方も,こだわっている人は自分でこだわっているとは思っていないと思います)。こんな中で本書は,全く別の観点からレストランの選び方を紹介したもので,評価できる部分がある。内容的にはきわめて軽薄ではあるが,なかなか理論的に人間心理をとらえており,暇つぶしには最適の一冊ではないかと思われる(向き不向きがありますので,購入される前に必ず内容を確認して下さい。ちなみに女性は読んではならないと書いてあります)。
ところで,医学界も流行(?)には乗り遅れず,最近,「日本の名医……」などと題された週刊誌や単行本をよく見かけるが,眼科部門をみているとちょっと首を傾けたくなるものが少なからずある。ところが,おもしろいことに,他科部門をみても何の疑義も抱かない。知識のないものの怖さを感じる。また,これらで紹介されない医者は名医ではないという錯覚を読者に与えかねない(必ずしもすべてを紹介しきれていないと注釈をつけているものもあるが)。元来,医者がすべて名医である必要はなく,本やテレビにでたから名医であるということもない(名医と紹介された先生方に対する中傷ではありません)。あまり辛辣なものも困るが,患者さんがこれをたよりに日本中を奔走するわけだから,もう少しまともな内容の「日本の名医……」シリーズが刊行されることを切に希望する。
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