Siesta
帯状ヘルペスは流行するのか?
下村 嘉一
pp.168
発行日 1993年10月30日
Published Date 1993/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410901938
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小児においては水痘・帯状ヘルペスウイルスによる水痘は,地域内での流行がよく見られ,地方会などで小児科医が集まれば,ときに話題を提供することになる。ここでは小児ではなく成人,特に老人の帯状ヘルペス(眼科領域では眼部帯状ヘルペス)が流行するか否か,またその機序について話したい。
2,3年前のヘルペスウイルス研究会(ヘルペスウイルス科に属するウイルスに興味を持つ基礎および臨床医の集まりで年に1回,2〜3日参加者全員合宿して,ヘルペスウイルスに関する研究を発表するカンファランス)で帯状ヘルペスが流行するか否かが討議されたことがある。実際,皮膚科の先生方は確かに流行があると話していた。問題はそのメカニズムである。従来より帯状ヘルペスの発症のメカニズムは小児期に水痘・帯状ヘルペスウイルスが神経節に潜伏感染して,成人になってから,何らかのトリッガー(免疫異常など)で発症すると言われている。
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