Ojo
白内障全摘出術の必要性
宇山 昌延
1
1関西医科大学眼科
pp.133
発行日 1993年10月30日
Published Date 1993/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410901918
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白内障手術は手技,器具,手術材料の進歩によって嚢外摘出(ECCE)と眼内レンズ(IOL)挿入が手術の中心となり,その適応は広まりつつある。特に習熟した術者であれば適応は一層広がっている。また症例によってIOLを挿入しなくても,水晶体の摘出をECCEで行うことが多い。例えば眼軸長が30mmをこえるような強度近視や,小角膜を伴ったぶどう膜欠損症,複雑な穿孔性角膜裂傷を伴った外傷性白内障などはIOL挿入の適応はないが,ECCEの適応となる。
このような現況から,白内障の全摘出術(嚢内摘出術,ICCE)の適応例はかなり少なくなった。しかし次のような症例にはなおICCEの適応がある。ECCE,特に超音波乳化吸引法(PEA)は洗練された手術であるが,なおICCEが必要な症例があり,ICCEの必要性は現在も残っている。
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