特集 白内障手術 Controversy '93
手術に必要な水晶体局所解剖
手術に必要な水晶体局所解剖
藤原 隆明
1
1杏林大学医学部眼科学教室
pp.13-17
発行日 1993年10月30日
Published Date 1993/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410901855
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いまやわが国内における白内障手術件数は年間おそらく30万件を越えており,眼内レンズ(IOL)挿入手術はまさに“開眼手術の華”として多くの人に光明を与えているといえる。本手術の適応もいささか心配になるほどに拡大の一途をたどるばかりであって,白内障手術イコールIOL挿入術であるといっても過言ではない。手術器具の改良をも含んでの白内障手術手技の進歩とともに,手術の恩恵を受けることのできる患者数が大いに増加することは確かに大きな進歩には違いない。
しかし,このように多数例の手術が毎日のように全国の津々浦々で行われているといっても,この手術を受ける患者一人一人にとっては,最高の質の手術を自らが受けることによって自分の眼の本来持っている最良の視機能がはじめて回復するのであって,その限りない期待に応えるべく,そのような手術に臨む眼科医の責任もまた限りなく重いものといわなければならない。
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