連載 眼科手術のテクニック—私はこうしている・56
冷凍凝固をいかに行うか
樋田 哲夫
1
1杏林大学眼科学教室
pp.1458-1460
発行日 1993年8月15日
Published Date 1993/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410901797
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双眼倒像眼底鏡下に行う
裂孔凝固に冷凍凝固を選択する術者の中に,いまだに眼底を直接モニターせずに,強膜上にマークをして,あとは凝固時間を決めてその周囲を凝固するという方法をとっている術者が多い。これには驚かされる。モニターをしても,単眼倒像鏡では術者自身が直接冷凍凝固のコントロールをすることはできない。ルーチンの眼底検査でも同じことであるが,なぜこうも双眼倒像鏡へ移行せずにいるのだろうか。冷凍凝固がジアテルミーより増殖性硝子体網膜症発症の危険性を高くするというのは事実のようである。しかし過剰凝固の危険性の高いこれらの方法をとって,そのことを強調されては,評価に不当な面があり,冷凍凝固が気の毒である。冷凍凝固は直接双眼倒像鏡下に見ながら,術者自身が行うべきである(図1)。
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