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特集 第45回日本臨床眼科学会講演集(5)1991年10月 広島
学術展示
視神経浸潤をきたした悪性リンパ腫の1例
A case of malignant lymphoma involving the optic nerve
中木 直美
1
,
萩原 正博
2
,
横山 連
1
,
橋本 孝二
3
,
八川 公爾
4
Naomi Nakaki
1
,
Masahiro Hagiwara
2
,
Tsuranu Yokoyama
1
,
Koji Hashimoto
3
,
Koji Hachikawa
4
1大阪市立十三市民病院眼科
2大阪大学眼科
3大阪市立十三市民病院内科
4淀川キリスト教病院耳鼻科
pp.1040-1041
発行日 1992年7月15日
Published Date 1992/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410901237
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- Abstract 文献概要
緒言 悪性リンパ腫の眼合併症は主に眼窩内腫瘤形成であり,眼内病変は少ないが,その中では硝子体,網脈絡膜浸潤が多く,視神経に浸潤した報告はきわめて少ない1,2)。今回筆者らは,視神経に悪性リンパ腫が浸潤し視力障害,乳頭腫脹をきたしたが,化学療法と放射線療法で改善をみた症例を経験したので報告する。
症例 37歳,男性。1990年10月5日頃より突然左眼の視力低下を自覚し,10月11日当科を受診した。同年4月より悪性リンパ腫(stageⅣ)の診断のもと,化学療法にて寛解とされていた。リンパ節生検による病理診断はdiffuse, mixed typeであった(図1)。既往歴,家族歴には特記すべきことはなかった。初診時,視力はRV=(0.5),LV=(0.9)。眼位,眼球運動は正常で,前眼部,中間透光体に異常を認めなかった。眼底は右眼は正常であったが,左眼は著明な乳頭浮腫を認めた(図2)。螢光眼底検査では視神経乳頭からの早期よりの螢光色素の漏出がみられた(図3)。
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