Japanese
English
連載 眼科図譜・308
悪性型Mooren潰瘍に対する角膜全周被覆術
Circumcorneal conjunctival flap for malignant type Mooren's ulcer
平野 潤三
1
,
平野 みき
1
Junzo Hirano
1
,
Miki Hirano
1
1平野眼科
pp.218-219
発行日 1992年3月15日
Published Date 1992/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410901020
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- Abstract 文献概要
緒言 Mooren潰瘍には潜蝕性,全周性で,進行が速く,激痛があり,両眼性で予後不良の悪性型と,その逆の良性型がある。前者はまた白内障,虹彩炎を併発しやすい。筆者らは悪性型の典型例を,まず角膜全周被覆術で治し,併発白内障の手術を経て再発なく,永久治癒せしめた。
症例 64歳,女。8か月前,左角膜に周辺潰瘍を生じ近医に受診。ステロイド,システイン点眼,ソフトレンズ連続装用も効なく急激に増悪し,疼痛と視力低下が著しい。約半年遅れて右眼にも同様の病変が進行中。3週前から左眼はほとんど失明の上,激痛耐え難く,摘出を覚悟した。しかし右眼だけは何としても確保したく,前医より紹介され来院。当院初診時,右角膜はほぼ下半周に潜蝕性の潰瘍あり,全周性・求心性に進行中。初発白内障もあって視力0.6(図1)。左眼は重篤で,角膜全周に深い壊死性潰瘍あり,上耳側で穿孔して前房消失,眼球虚脱し,極度の縮瞳と後癒着のため,視力は眼前手動弁(図2)。
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