連載 眼の組織・病理アトラス・55
全身性アミロイドーシス
猪俣 孟
1
1九州大学
pp.674-675
発行日 1991年5月15日
Published Date 1991/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410900626
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アミロイドーシスはアミロイド蛋白が全身諸臓器の組織に沈着する原因不明の疾患である。アミロイド沈着の部位とその程度によって多彩な臨床症状を示す。とくに,遺伝性家族性の全身性アミロイドーシスでは,アミロイド線維が硝子体内に沈着し,「ガラス綿様硝子体混濁」(図1)をきたすことを特徴とする。
眼組織におけるアミロイド線維の沈着部位は,硝子体,網膜血管およびその周囲組織,虹彩および毛様体の血管,瞳孔括約筋および散大筋,脈絡膜内の毛様体動脈,脈絡膜毛細管板,脈絡膜内の毛様体神経,球後の毛様体神経,角膜,前房隅角線維柱帯,後極部上強膜血管とその周囲組織,外眼筋,結膜血管およびその周囲組織,視神経の軟膜,クモ膜,硬膜眼窩などである。すなわち,アミロイド線維は眼球内外のほとんどすべての組織に沈着しうる。
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