病気のはなし
家族性アミロイドーシス
武井 洋一
1
1信州大学医学部第3内科
pp.6-13
発行日 2000年1月1日
Published Date 2000/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905262
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新しい知見
家族性アミロイドーシスは全身性遺伝性のアミロイドーシスであり,アミロイド前駆物質がなんらかの原因で不溶性のアミロイド細線維として細胞外組織間へ沈着することにより臓器障害をきたす疾患群である.代表的な疾患は家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)であり,腹壁脂肪の吸引生検組織のコンゴーレッド染色や,遺伝子診断,または質量解析による血清診断が施行されている.従来の治療は対症療法に終始していたが,1990年代初頭からFAP患者に対し肝移植が施行されるようになった.わが国では1993年から生体部分肝移植が開始され,1999年2月には国内初の脳死肝移植がFAP患者に施行された.また,欧米では1997年からFAP患者から摘出した肝臓を他の患者に移植するドミノ肝移植が施行されるようになり,わが国でも1999年7月より本手術が開始されている.
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