増刊号 6年前の常識は現在の非常識!—AI時代へ向かう今日の眼科医へ
Ⅴ.結膜・角膜
Special Lecture
再生医療製品
大家 義則
1
,
西田 幸二
1
1大阪大学大学院医学系研究科脳神経感覚器外科(眼科)
pp.123-125
発行日 2024年10月30日
Published Date 2024/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410215337
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再生医療製品とは何か
再生医療製品とは,日本再生医療学会による定義では,ヒトまたは動物の生きた細胞や組織を培養などの加工を施し作製されたもので,体の構造・機能の再建・修復・形成や疾病の治療・予防,遺伝子治療を目的として使用されるものである.金属などの材料でできた製品よりもヒトの体に馴染みやすいなどの理由から,医薬品や医療機器のように用いることができる.しかしながら,再生医療製品を医療に用いることを目的として世に出すためには,医薬品や医療機器と同じように,非臨床試験(動物実験など),臨床研究,治験,厚生労働省での審査,承認・販売といった順序で,製品の有効性と安全性について調べていく必要がある.
わが国において承認されている眼科領域の再生医療製品として,ネピック®〔ヒト(自己)角膜輪部由来角膜上皮細胞シート〕,オキュラル®〔ヒト(自己)口腔粘膜由来上皮細胞シート〕,サクラシー®〔ヒト羊膜基質使用ヒト(自己)口腔粘膜由来上皮細胞シート〕,ビズノバ®〔培養ヒト角膜内皮細胞〕の4品目が挙げられる.前3者は角膜上皮幹細胞疲弊症に対して適応されるものであり,ビズノバ®は水疱性角膜症が適応症である.このなかでもネピック®およびオキュラル®については,筆者らが開発を進めた製品であるので本稿で述べたい.
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