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Ⅴ.結膜・角膜
Special Lecture
アレルギー性結膜疾患診療ガイドライン
宮﨑 大
1
1鳥取大学医学部視覚病態学分野
pp.118-119
発行日 2024年10月30日
Published Date 2024/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410215335
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ガイドラインの改訂と新たな疾患の定義
「アレルギー性結膜疾患診療ガイドライン」は,第3版が2021年に公開された.第2版は2010年の公開である.ほぼ10年近くの間に,疾患概念の変化,新たな治療薬として免疫抑制薬の登場,また,新たな疫学的調査が行われたという経緯がある.さらに,診療ガイドラインの記載形式としてMinds形式が推奨されるようになった.よって,本ガイドラインもMinds形式によりエビデンスを収集し記載を行うため,編集方針が大幅に変更された.
まず今回の改訂においては,アレルギー性結膜疾患はⅠ型アレルギー反応を主体とした結膜の炎症性疾患であり,抗原により惹起される自覚症状・他覚所見を伴うものと定義された.これまでアレルギー性結膜疾患の疾患概念として,Ⅰ型炎症によるものとされてきた.しかし,T細胞を代表とする獲得免疫系により惹起されるⅠ型炎症と異なり,自然免疫系もアレルギー性炎症を惹起するうえで重要であることが明らかになってきている.自然免疫系は,直接的にアレルゲン特異性を付与するわけでないが,間接的にアレルゲン特異性を誘導する.端的にいえば,アレルギー体質と要約できよう.
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