Japanese
English
臨床ノート
特徴的顔貌はないが遠見複視によりsagging eye syndromeを疑った1例
A case of diplopia only on distance viewing diagnosed as suspected sagging eye syndrome without characteristic facial features
高橋 京一
1
Kyoichi Takahashi
1
1たかはし眼科クリニック
1Takahashi Eye Clinic
pp.589-591
発行日 2023年5月15日
Published Date 2023/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410214790
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緒言
軽微な複視を訴える高齢者は少なくないが,精査を希望しない場合,原因不明のまま眼鏡などで対処する場合が多いと思われる。近年,眼窩結合組織であるプリーの加齢現象で複視が生じる疾患があることが発見され,2009年にsagging eye syndrome(以下,SES)と命名された1,2)。アジアからの報告が少ないため,わが国では眼科医を含め認知度が低い疾患であったが,近年マスコミでこの疾患が扱われたことで一気に認知度が向上し,SESの可能性を疑い受診する患者が増えている。
今回,2年前からときどき複視を感じていたが,テレビ報道からSESを自ら疑い当院を受診し,SESの診断に至った症例を経験したので報告する。
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