今月の表紙
乳化シリコーンオイルによる逆前房蓄膿
安蘇谷 浩乃
1
,
髙橋 次郎
1
,
稲谷 大
2
1獨協医科大学埼玉医療センター眼科
2福井大学
pp.581
発行日 2023年5月15日
Published Date 2023/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410214788
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- 文献概要
症例は63歳,男性。以前に右眼の裂孔原性網膜剝離,硝子体出血に対して,水晶体再建術(眼内レンズ挿入なし)を含む硝子体手術を行い,シリコーンオイルを留置した。その後網膜は復位し,経過観察を行っていたが,術4年後頃から細隙灯顕微鏡検査にて前房内上方に,乳化したシリコーンオイルが原因と考えられる逆前房蓄膿所見が認められるようになった。視力は右30cm眼前指数弁,左(1.2×−2.25D()cyl−0.75D 15°),眼圧は右37mmHg,左18mmHg。シリコーンオイルの抜去を検討したが,外科的治療を希望しなかったため,点眼による眼圧下降治療を行いながら経過観察を行った。
今回の撮影には,トプコン社製スリットランプSL-D7にニコン社製デジタル一眼レフカメラD300を取り付けた装置を使用した。撮影には拡散板を使用し,倍率10倍,スリット幅約20mm,背景照明ありの条件とした。乳化シリコーンオイルの詳細を描出できるように,耳側方向からスリット光を当て,ハレーションを起こさないよう光量を調節しながら撮影した。
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