今月の表紙
外傷性水晶体前房脱臼
生田 万佑子
1
,
鳥山 佑一
1
,
西口 康二
2
1長野赤十字病院眼科
2名古屋大学
pp.1069
発行日 2025年9月15日
Published Date 2025/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.037055790790091069
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- 文献概要
症例は79歳,男性。自宅倉庫1階の屋根から地面に転落して頭部と左下肢を受傷し,前医救急外来を受診した。創縫合中に右眼視力低下を訴え眼科を受診したところ,右眼視力は手動弁(矯正不能)で外傷性散瞳をきたしていたが,左眼の間接対光反射は保たれていた。水晶体前房脱臼と高眼圧(32mmHg)を認め,翌日に当院へ紹介受診となった。当院初診時における右眼所見は,視力(0.02),眼圧15mmHgで,前房内に脱臼した水晶体下方は角膜内皮に接触していた。同日に超音波水晶体乳化吸引術+眼内レンズ強膜内固定術を施行し,術後3か月での右眼視力は(0.9)だった。術前の角膜内皮細胞密度は角膜浮腫により評価不能であったが,術後の細胞密度は2,548個/mm2と大幅な減少はないと考えられ,経過は良好である。
撮影にはトーメーコーポレーション社製CASIA2を用いた。前眼部スクリーニングモードの16枚スライスで撮影し,180度方向を2D解析で表示した前眼部OCT画像である。
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