増刊号 すべて見せます! 患者説明・同意書マニュアル—[特別Web付録]説明書・同意書の実例99点
12 網膜硝子体
硝子体手術—ぶどう膜炎
永田 健児
1
1京都府立医科大学眼科学教室
pp.242-244
発行日 2020年10月30日
Published Date 2020/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410213802
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
手術・治療の概要
ぶどう膜炎で硝子体手術を行う目的は大きく2つに分けられる。1つは視機能の改善が目的で,もう1つは硝子体解析による検査である。ぶどう膜炎では慢性炎症により黄斑上膜が形成されることが多く,硝子体手術の適応となることがある。また,ステロイド抵抗性の硝子体混濁や黄斑浮腫でも手術が有効なことがある。一般的な黄斑上膜や黄斑浮腫と同様にOCTでの評価は重要であり,患者への説明にも有用である。眼内炎症を評価する検査機器としてフレアメータがあるが,主には血管透過性の状態を表す指標であることを理解しておく必要がある。
硝子体手術で採取した硝子体の解析は診断に有用である1)。細胞診やフローサイトメトリ解析により硝子体に浸潤した細胞の種類や悪性度を解析することができる。また,インターロイキン(IL)-10とIL-6の比は眼内リンパ腫の鑑別に有用である2)。サイトカインを解析する際には,灌流液を含まない検体を使用する必要がある。高齢者でステロイド抵抗性のぶどう膜炎をみたら眼内リンパ腫の鑑別が必要であり,硝子体生検が有用である(図1)。
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.