増刊号 すべて見せます! 患者説明・同意書マニュアル—[特別Web付録]説明書・同意書の実例99点
11 緑内障
周辺虹彩切除術
愛知 高明
1
,
力石 洋平
1
1琉球大学大学院医学研究科医学専攻眼科学講座
pp.196-197
発行日 2020年10月30日
Published Date 2020/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410213786
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手術・治療の概要
周辺虹彩切除術は,原発閉塞隅角症(primary angle closure:PAC)・原発閉塞隅角緑内障(primary angle closure glaucoma:PACG)など相対的瞳孔ブロックが原因の閉塞隅角眼に対して,周辺部虹彩を切除することで前後房間の圧差を解消する術式である。
緑内障診療ガイドライン(第4版)によると,PAC・PACGの治療としては,相対的瞳孔ブロック機序のある場合はレーザー虹彩切開術(LI)または水晶体摘出術を施行し,LIが不可能な場合に周辺虹彩切除術を選択すると示されている。また,急性原発閉塞隅角症(acute PAC:APAC)・急性原発閉塞隅角緑内障(acute PACG:APACG)の治療においても,薬物治療後の瞳孔ブロックの解除目的に行うとしている1)。現在,LIの普及により周辺虹彩切除術を行うことは少なくなっている。しかし,LIによる閉塞隅角の悪化や,水疱性角膜症が発症する症例も報告されている2,3)。近年,周辺虹彩切除術よりも水晶体摘出術のほうが効果的であるとの報告もある4)。また,水晶体摘出術がLIより費用対効果も高く,予後も良いことが証明されており5),PAC・PACGやAPAC・APACGの症例に対して水晶体摘出術を選択する機会が今後多くなるであろうと予測される。しかしながら,すべての施設で水晶体摘出術が行えるわけではない。
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