増刊号 すべて見せます! 患者説明・同意書マニュアル—[特別Web付録]説明書・同意書の実例99点
6 斜視弱視
斜視手術—筋弱化術
岡本 真奈
1
1兵庫医科大学眼科学教室
pp.82-84
発行日 2020年10月30日
Published Date 2020/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410213745
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手術・治療の概要
斜視とは両眼の外眼筋のバランスが崩れ,両眼の視線が合わなくなることをいい,小児では両眼視機能の発育が阻害され,成人では複視や眼精疲労が生じ,斜視角が大きい場合は整容面でも問題となる。斜視の手術には,筋弱化術,筋強化術,斜筋手術,筋移動術などがあるが,本稿では筋弱化術について解説する。
筋弱化術には,後転術,切腱術,hang back法,Faden法などがある(図1)。手技的に難易度が高いわけではないが,術量の決定が眼位予後を左右するため,術前検査は重要である。当院では,小児の場合は,調節麻痺薬による屈折検査をルーチンで行い,屈折異常があれば屈折矯正を行い,そのうえで,交代プリズム遮閉試験で斜視角を測定する。麻痺性斜視の場合はHess赤緑試験や大型弱視鏡検査なども追加する。両眼視機能検査として,Titmus Stereo Testなどの立体視検査や網膜対応検査なども行い,最終的にはプリズム順応試験を行い,小児では術後正位を狙い,成人では術後複視をきたさないように術式を決定する。乳幼児の場合にはKrimsky法や眼位写真なども参考にしている。
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