増刊号 すべて見せます! 患者説明・同意書マニュアル—[特別Web付録]説明書・同意書の実例99点
3 眼外傷
眼球摘出術
中林 征吾
1
1旭川医科大学眼科学教室
pp.58-60
発行日 2020年10月30日
Published Date 2020/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410213738
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手術・治療の概要
眼外傷による損傷の程度はさまざまであり,前房出血,外傷性白内障,外傷性硝子体出血,角膜破裂や強膜破裂などがある。穿孔創がある場合,虹彩や硝子体,脈絡膜,網膜が眼外へ脱出することがある(図1)。
診察時には,光覚弁,手動弁,指数弁などの大まかな視力評価は必ず行っておく。眼瞼腫脹や結膜下出血,前房出血,硝子体出血のために,強膜や眼内の状態を正しく把握できない場合も多い。超音波Bモードで外傷性の硝子体出血や網膜剝離の有無,CT検査にて眼球の形状が維持できているか,眼周囲の骨折や眼内異物がないかなどを判断する。高度眼外傷の手術における麻酔は球後麻酔でも可能ではあるものの,外傷後の患者は精神的に不安定なことが多く,患者の心理を考えると全身麻酔が望ましい。全身麻酔に必要な採血,胸部写真,心電図などの検査も行う。
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