増刊号 すべて見せます! 患者説明・同意書マニュアル—[特別Web付録]説明書・同意書の実例99点
1 眼瞼
眼瞼下垂症手術—吊り上げ術
松田 弘道
1,2
1東京慈恵会医科大学眼科学講座
2まつだ眼科形成外科
pp.24-25
発行日 2020年10月30日
Published Date 2020/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410213725
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手術・治療の概要
前頭筋吊り上げ術は,上眼瞼と眉毛部を吊り上げ材で連結し,前頭筋の収縮力を利用して瞼を挙上させる方法である。挙筋機能不良の眼瞼下垂に対して適応となり,主な対象疾患には先天性眼瞼下垂,外眼筋ミオパチー,先天性外眼筋線維症,動眼神経麻痺,重症筋無力症がある。自覚症状は,下垂の重症度に応じた上方視野障害,整容上の不利益(顎上げ頭位,眉毛高の上昇,重瞼線の左右差)であり,小児の場合には視性刺激遮断弱視や屈折異常弱視といった視機能発達の面でも注意する必要がある。使用される吊り上げ材は自家組織として大腿筋膜や側頭筋膜,長掌筋腱など,人工素材としてゴアテックス®やシリコーンチューブ,ナイロン糸などがある1)。各材料の特徴やそれに伴う合併症をよく理解したうえで選択することが重要である。
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