増刊号 実戦 メディカル眼科治療アップデート
メディカル眼科治療 総論
Ⅰ 薬物療法の基本と留意点
眼疾患における生物学的製剤の最近の動向
楠原 仙太郎
1
1神戸大学大学院医学研究科外科系講座眼科学分野
pp.31-38
発行日 2019年10月30日
Published Date 2019/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410213312
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
POINT
●現在わが国で眼疾患に保険適用のある生物学的製剤は4剤であり,抗VEGF薬と抗TNFα薬に大別される。
●抗VEGF薬にはラニビズマブとアフリベルセプトがある。いずれも滲出型AMD,DME,RVOに伴う黄斑浮腫,mCNVに適用を有し,多くの患者で視力の向上が期待できる。
●抗TNFα薬についてはインフリキシマブとアダリムマブが認可されている。前者はBehçet病による難治性網膜ぶどう膜炎に,後者は既存治療で効果不十分な非感染性の中間部,後部または汎ぶどう膜炎に,それぞれ使用され,患者の視機能予後を改善させることがわかっている。
●抗VEGF薬については,頻回投与に伴う高額な治療費や治療抵抗例の存在などが問題となっている。抗TNFα薬については,結核を含む重篤な有害事象や二次無効に対する対策が必要である。
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.