増刊号 7年前の常識は現在の非常識!—眼科診療の最新標準
5.ぶどう膜炎・強膜炎・感染症
2)感染症
サイトメガロウイルスの診断と治療
臼井 嘉彦
1
1東京医科大学臨床医学系眼科学分野
pp.321-325
発行日 2018年10月30日
Published Date 2018/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410212932
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以前の常識
●定性PCRは,CMVによる虹彩毛様体炎や網膜炎の診断に有用である。
●Posner-Schlossman症候群やFuchs虹彩異色性虹彩毛様体炎は,非感染性ぶどう膜炎である。
●CMVの診断は,網羅的PCR検査により行われるが,研究として行う。
●CMV網膜炎の原因としては,AIDSによる発症頻度が高い。
現在の常識
●定量PCRはCMVによる虹彩毛様体炎や網膜炎の診断のみならず,CMVウイルスコピー数と病像に相関があると報告されているため,治療効果の判定にも有用である。
●非感染性ぶどう膜炎として分類されていたPosner-Schlossman症候群やFuchs虹彩異色性虹彩毛様体炎のなかに,CMV-DNAが検出される症例がある。
●CMVの診断は,先進医療として,網羅的PCR検査により行われる。それに伴いCMV角膜内皮炎・虹彩毛様体炎は増加傾向である。
●非HIV患者に生じ,慢性的な経過をとるCMV網膜炎は,慢性網膜壊死(chronic retinal necrosis)と称する新たな疾患概念が提唱されている。
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