増刊号 7年前の常識は現在の非常識!—眼科診療の最新標準
3.緑内障
Special Lecture
緑内障と自動車運転
国松 志保
1
1東北大学大学院医学系研究科神経感覚器病態学講座眼科学分野
pp.195-198
発行日 2018年10月30日
Published Date 2018/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410212905
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はじめに
都市部では,バス・地下鉄・電車などの公共交通機関が充実しているため,視野の狭い患者本人が,実際に自転車を運転をすることは少ないが,地方では自動車以外の移動手段がなく,患者本人が自動車の運転に頼らざるをえない。2007年度の旅客輸送機関分担率調査(国土交通省)では,47都道府県のうち34県で,府県内の移動の90%以上が自動車に依存しているという結果であった。そのため,地方では中心視力だけに頼って車の運転をしている視野狭窄患者は非常に多いと予想される。しかし,実際には信号機などの道路標識の認識,右折・左折時の歩行者や自転車の確認のためには,中心視力だけでなく十分な視野が必要であり,自動車運転を続けている末期緑内障患者では,視野障害による安全確認の不足が原因の交通事故を引き起こしうる1)。
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