今月の表紙
先天白内障
佐藤 信之介
1
,
下村 嘉一
2
1大阪大学医学部附属病院
2近畿大学
pp.12
発行日 2018年1月15日
Published Date 2018/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410212551
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症例は21歳,女性。幼少時から視力低下を訴え,近医より当院へ紹介され受診となった。初診時の視力は右0.3(0.4×−0.75D()cyl−2.50D 165°),左0.2(0.8×−1.25D()cyl−1.50D 40°)。両眼の水晶体後囊下に星形の混濁がみられ,水晶体全体に散在する点状混濁も認めた。自覚症状として,授業で顕微鏡をのぞいたときに,星形の影が見えたことがあった。混濁の範囲は,右眼のほうが広くみられた。手術を希望され,初診の翌月に両眼にPEA+IOLを施行。手術後の視力は右(1.2),左(1.2)と経過良好である。
撮影はTOPCON社製スリットランプSL-D7にNikon社製デジタルカメラD300を取り付けた装置で行った。拡散照明法では,混濁の範囲を把握できるように均一に照明を当て,散瞳後に撮影した。スリット撮影では,混濁の形状がわかりやすいようにスリットの幅を約2mmに広げ,撮影光量を落とした。また,混濁の星形を強調するために背景を消し,倍率を25倍とした。スリット光の角度は,角膜の反射が混濁に重ならないようにやや大きくつけた。
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