Japanese
English
特集 小児眼科
先天性白内障
Congenital Cataracts
植村 恭夫
1
Yasuo Uemura
1
1国立小児病院眼科
1Department of Ophthalmology, National Children's Hospital
pp.1343-1347
発行日 1970年11月15日
Published Date 1970/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410204397
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
すべての先天異常のなかで,眼球および眼窩の異常が,その60%以上を占めるとされており,その中でも,先天性白内障は,最も臨床上遭遇する重要な眼疾といえる。国立小児病院眼科外来の統計によると,新患総数の約2%を占めている。Hatfieldの報告によると,先天性白内障は,就学前児童の失明の11.5%を占めており,おそらく成人の失明の5%がこれであろうとしている。先天性白内障は,白内障のみの単独異常の場合と,他の眼疾に伴う場合と,全身異常の一つの症状として出現する場合とがある。先天性白内障は,生下時すでに認められるもののほか,発達白内障(developmental cataracts)の名称のごとく,生下時正常にみえる水晶体に,ある月齢,年齢を経て白内障の出現する場合がある。
先天性白内障は,病因的にも,治療面にもはなはだ重要な眼疾であり,今回は,診断,治療に関し述べてみることとする。
Copyright © 1970, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.